【皮膚科ブログ】第2回 膿皮症
こんにちは!こもれびペットクリニック皮膚科担当の釜田優です😊
今回もよくある皮膚の病気について解説していこうと思います。

第2回目は「膿皮症(のうひしょう)」についてです。
暑い時期に増える傾向はありますが、一年を通して見られ、特にわんちゃんでよく遭遇する病気です。
どんな病気?
皮膚の常在菌である細菌(主にブドウ球菌Staphylococcus pseudintermedius)が過剰に増えたり、感染したりすることで起こります。
よく勘違いされますが、環境中や他の動物から感染するのではなく、自身の常在菌が皮膚トラブルをきっかけに増えることが原因になります。なので、膿皮症のワンちゃんと接触しても他の動物に膿皮症がうつることはありません。
膿皮症のタイプ
膿皮症は細菌が増える皮膚の深さによって3タイプに分かれます。どのタイプの膿皮症であるかによって、症状や治療法が変わってきます。
①表面性膿皮症…皮膚の表面で細菌が増えるタイプ
②表在性膿皮症…表皮や毛包など皮膚の浅い部分に細菌が感染するタイプ
③深在性膿皮症…真皮、皮下組織など皮膚の深い部分に細菌が感染するタイプ
膿皮症の症状
膿皮症になると以下のような症状が見られます。
・かゆみ(足でかいたり、舐めたりする)
・皮膚の赤み
・皮膚のカサカサ、フケ
・脱毛
・ブツブツ(膿疱:膿が溜まった水ぶくれのようなもの)
・腫れる(深在性で多い)
・膿が出る(深在性で多い)

膿皮症の原因
膿皮症を引き起こす原因として以下の様なものがあります。
・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)…若齢で多い
アレルギー疾患を持つワンちゃんは皮膚バリア機能が壊れやすい傾向があります。バリアが壊れたところから細菌が入り込み、炎症などのトラブルを起こします。
・ホルモン異常…中〜高齢で多い
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などのホルモン異常があると免疫機能の低下などにより膿皮症にかかりやすくなります。
・脂漏症、多汗症など膿皮症を起こしやすい皮膚の性質である
ベタベタしやすい皮膚などの場合は細菌が増えやすくなります。
・免疫が下がるような基礎疾患がある、治療により免疫が下がっている状態である
ステロイドや抗がん剤など、一部の治療薬では免疫が下がることがあり、膿皮症にかかりやすい状態になることがあります。
膿皮症の治療
膿皮症の治療は大きく分けて次のようなものがあります。
・内服治療
細菌に対して抗菌薬の飲み薬を使います。ただ、最近では多剤耐性菌の問題も増えてきているので、外用療法で対応できる場合は飲み薬を使わないこともあります。また、抗菌薬を使う前に薬剤感受性試験(その薬が効くかどうか調べる試験)を行うこともあります。
・外用療法(シャンプー、消毒薬、塗り薬)
抗菌効果のあるシャンプーや消毒薬、抗菌薬の入った塗り薬を使います。ワンちゃんの性格やオーナーさんのライフスタイルに合わせて、実施可能なものを相談して選びます。
・基礎疾患の治療
アレルギーがある場合はアレルギーのお薬を一緒に飲んだり、ホルモンの病気がある場合はそちらの治療をしながら並行して膿皮症の治療を行います。

膿皮症を繰り返すとき
膿皮症が一度治っても、何度も繰り返してしまうワンちゃんもいます。その場合は、基礎疾患がないか検査したり、予防的にスキンケアを行ったりします。
繰り返す膿皮症にお困りの場合は、一度ご相談ください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!