komorebipetclinic’s diary

スタッフが日々感じたことをお伝えしていきます

SUBシステム

先日、SUBシステムの勉強会へ出席してきました。

 

日本大学の浅野先生より直々にSUBシステムの設置手技や起こりやすいリスクなどを学ばせていただきました!

 

 

SUB(Subcutaneous Ureteral Bypass)システムとは、尿管閉塞などの尿管のトラブルに対して、尿管とは別に腎臓と膀胱をつなぐ腎臓ー膀胱バイパスを設置する治療法です。

 

人と同様に犬猫も尿は腎臓で作られます。腎臓で作られた尿は、尿管を通り膀胱に蓄尿します。

 

     

 

ただ、ネコちゃんの尿管は非常に細く、尿路結石や結石通過時の炎症により閉塞を起こしてしまうことがあります。

 

そして最近はフードのトレンドの影響もあるのか、腎結石、尿路結石、膀胱結石が結構多く見られます。さらに厄介なことに、以前はフードを変更することで『溶けていた結晶』ストルバイト結晶がほとんどでしたが、最近はフードを変えても『溶けない結晶』シュウ酸カルシウム結晶がかなり多く見られています。

 

 

 

人と同様にワンちゃん、ネコちゃんも腎臓は2個ありますが、すでに片側の機能低下が起きていたり、両側腎臓に問題が起きると急性腎不全に陥るために緊急的な処置が必要になるケースもあります。

SUBシステムでは腎臓から出た尿はポートを通り、尿管とは別のルートを通り膀胱に流れ込みます。
尿管断裂や術部からの尿の漏れのリスクを回避出来ます。

また、ポート部から砂状の結石や細菌感染に対しての洗浄を行う事が可能なため、再閉塞のリスクを軽減する利点があります。

ただし、それらのリスクを完全に回避することは難しいため、少しでもリスクを軽減するため定期的な洗浄が必要になります。

 

SUBシステムにもメリットデメリットがあるため、全ての子が適応!というわけではありませんが、SUBシステムがあれば助かったかもしれない...という経験もありました。

少しでも皆様と動物たちが長く楽しく過ごせるように今後も精進いたします。

 

下部尿路疾患に関してはこちらもご覧ください❗️

猫に多いおしっこトラブル、下部尿路疾患について

 

近医の方でSUBシステムが必要!という先生からのご紹介も受けています。

紹介フォームは現在作成中ですので、病院のLINEにご連絡いただくか、緊急の場合は直接お電話いただければと思います。

TEL:046-206-4539

休診日:木曜終日、日・祝午後

 

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