これからの季節、愛犬や愛猫の健康に対するケアが重要になります。特に膀胱炎や尿石症は秋冬の時期に発症リスクが高まるため、症状に気を配り、早期発見と予防を心がけてあげましょう!
今回は秋冬に多い膀胱炎、膀胱結石についてお伝えします。
膀胱炎について
膀胱炎の種類
膀胱炎には主に2つの種類があります。
1. 感染性膀胱炎
これは、細菌が尿道を通して膀胱に入り、感染を引き起こすことで発症します。多くの場合、排尿時の痛みや血尿が見られるのが特徴です。特に犬では、感染性膀胱炎が一般的で、外部からの細菌や不衛生な環境が原因となることが多いです。
2. 非感染性膀胱炎
非感染性膀胱炎は、細菌感染がないにもかかわらず、膀胱が炎症を起こす状態です。ストレスや食事、尿結石が原因になることがあり、特に猫でよく見られます。
膀胱炎の症状ってどんなもの?
犬や猫が膀胱炎になると、いくつかの分かりやすい症状が見られます。例えば、頻繁にトイレに行く、排尿時に痛そうな表情をする、血尿が見られるなどが代表的です。特に猫の場合、トイレの外でおしっこをしてしまう行動が見られることもあります。普段のトイレ習慣と違う行動があれば、早めに相談してください。
膀胱炎になりやすい犬や猫は?
どの犬や猫でも膀胱炎になるリスクはありますが、特にリスクが高いのは、高齢の動物と水をあまり飲まない動物たちです。また、猫では男の子が尿道の構造上、膀胱炎や尿道結石になりやすいと言われています。冬場は寒さで水を飲む量が減ることもあり、リスクが高まります。しっかりと水分補給を促すことが重要です。
予防するためにできること
膀胱炎を予防するためには、いくつかのポイントがあります。まず、清潔なトイレ環境を保つことが大切です。トイレが汚れていると排尿を我慢することがあり、それが膀胱炎の原因になることもあります。次に、水分補給をしっかり行うことです。特に冬場は水を飲む量が減ることが多いため、工夫が必要です。例えば、ウェットフードを多めに与える、動物が水を飲みやすい環境を作ってあげましょう。
膀胱炎の早期発見が大事!
膀胱炎は、早期に発見して治療を始めれば深刻な病気に発展することは少ないですが、放置すると腎臓にまで影響を与えることもあります。普段から動物のトイレの様子や尿の色、排尿の頻度をよく観察し、異変があれば早めに相談してください。
膀胱結石について
膀胱結石とは?
膀胱結石は、尿中のミネラルが固まって結石となり、膀胱内に蓄積する病気です。特に尿路が狭い猫や、一部の犬種では、結石が形成されやすいとされています。膀胱結石ができると、尿を排出する際に痛みを伴ったり、尿が出にくくなったり、尿路閉塞(全く尿が出ない)が起こると急性腎不全になり放置しておくと命に関わる可能性もあります。
症状
膀胱結石の早期発見には、動物の日常の様子をよく観察することが大切です。次のような症状が見られた場合は、早急に受診をおすすめします。
• トイレに頻繁に行くのに、少ししか尿が出ない
• 尿に血が混じっている
• 排尿時に痛そうな声を出す
• トイレ外で粗相をする(痛みのためトイレを避けることがあります)
• 食欲が減少し、元気がない
これらの症状が現れたら、膀胱炎などの可能性もありますが、膀胱結石が原因であることも少なくありません。
予防法
膀胱結石を防ぐためには、いくつかのポイントを押さえておくと効果的です。
1. 水分摂取を増やす
十分な水分摂取は、尿を薄め、結石の形成を抑える助けになります。特に猫は本来あまり水を飲まない習性があるため、ウェットフードを取り入れたり、新鮮な水をいつでも用意しておくことが大切です。
2. バランスの取れた食事
結石を予防するためには、尿中のミネラルバランスが重要です。動物病院で推奨される特定の療法食を与えることで、結石のリスクを減らすことができます。
3. 定期的な健康診断
特に結石ができやすい体質や犬種・猫種の場合、定期的な尿検査や健康診断を受けることが推奨されます。早期発見が、結石の大きなトラブルを避けるための鍵です。
なりやすい動物とは?
すべての犬や猫に膀胱結石ができる可能性はありますが、特定の犬種や猫種、または体質が影響することがあります。例えば、シーズーやミニチュア・シュナウザー、パピヨン、パグ、ダルメシアンなどの犬種は結石ができやすいとされています。猫では、特に去勢済みの男の子が尿路が狭いため、結石による尿路閉塞が起こりやすく、注意が必要です。
早期発見の重要性
膀胱結石は、溶ける石(ストルバイト)の場合、早期に発見できれば内科的な治療や食事療法で改善できることが多いです。しかし、症状が進行したり、溶けない石(シュウ酸カルシウムなどは)の場合、外科的な手術が必要になったり、動物の生活の質に大きな影響を与えることもあります。定期的な健康チェックや、異常を感じたらすぐに受診することが、動物の健康を守るために大切です。
膀胱のエコー検査に関しては、こちらもご参考にしてください🎥
【動画】黒猫ちゃんの定期検診膀胱エコー検査
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